ニコチン酸アミドの効果と副作用
ニコチン酸アミドは現在市販で販売されている多くの育毛剤に配合されている成分のひとつです。
ニコチンという言葉があるのでタバコのニコチンと勘違いする人もいるとは思いますが、全くの別物で毒性はないので安心して下さい。
そんなニコチン酸アミドの育毛効果や副作用をご紹介していきます。
ニコチン酸アミドについて
ニコチン酸アミドとはビタミンB群の一種で別名「ナイアシンアミド」や「ビタミンB3」とも呼ばれています。
体内で、脂質や糖質、たんぱく質からエネルギーを作るときに働く補酵素として作用し、毛細血管の拡張や血流改善に役立つため、滋養強壮の栄養ドリンクなどに良く配合されています。
また、美容に役立つ成分としても知られており、肌のメラニン色素を抑制する働きがあるため、シミ予防や美白効果として多くの化粧品にも配合されています。
食品においては赤身の肉やレバー、ビール酵母などに多く含まれており、肉類を適度に摂取していれば体内からニコチン酸アミドが不足することはないと言われています。
しかし、体内に摂取するだけでは育毛効果はあまりなく、頭皮に直接使用することで育毛効果を生み出すため、育毛剤には欠かせない成分とされています。
ニコチン酸アミドの育毛効果
ニコチン酸アミドが育毛剤の主成分として良く配合されているのは、血流改善の他に「毛母細胞」に働きかけるという作用があるからです。
育毛においてこの毛母細胞というのは、発毛を司る機関である毛乳頭からの栄養を受け取り、細胞分裂を繰り返しながら髪の毛を作り出します。
簡単に言ってしまえば、角質化した毛母細胞の集まりが髪の毛ということですね。
しかし、この毛母細胞の働きは加齢とともに弱っていき、約40~50回の細胞分裂で寿命が尽きると言われています。
薄毛や抜け毛の原因の多くは、この毛母細胞の働きが鈍くなり、細胞分裂ができなくなることで起きるんですね。
そこでこのニコチン酸アミドを頭皮に塗布することで、毛細血管が拡張し血行が促進されるので、血流とともに毛乳頭からの栄養を毛母細胞まで届けることができ、細胞分裂を活発化させることができるんです。
育毛剤を選ぶときに価格の安さで購入するという人も多いと思いますが、どんなに安い育毛剤でもニコチン酸アミドが配合されていれば、少なからず毛母細胞の活性化と血流改善効果は期待できると考えられますので、育毛剤選びのひとつの指標にすることができますよ。
ニコチン酸アミドの副作用
ニコチン酸アミドは基本的には外用塗布剤として使用しますから、体内に服用するサプリメントとは違って大きな副作用の心配はいりません。
しかし、ニコチン酸アミドの毛細血管拡張作用や血行促進効果によって、頭皮の炎症や頭痛、肝機能障害などが起こるとも言われています。
ニコチン酸アミドが体内に入ることで、血液が一気に流れ出し、皮膚や肝臓が過剰反応することが原因で、皮膚が赤くなったり、頭皮に熱をおびたりという症状があらわれることがあります。
この症状が起きても、基本的には一過性のものなので心配し過ぎることはありませんが、育毛剤の使用方法や1日の塗布回数はきちんと守ったほうが良いでしょう。